人気ブログランキング | 話題のタグを見る

漂石彷徨



with or without you

 「日本は孤島の国である。二十世紀にいたるまで思想は海外にあると思いこむ弊があり、人によっては、その思想を生んだ国まで理想化した。」司馬遼太郎「この国のかたち 五 藤原惺窩」
 ジョシュアで焚き火にあたりながら地元のクライマーと話をしていて、私がジョシュアを褒めちぎり、日本国の情けない事情を話すと、その方はこういいました。「いや、米国も事情は同じだ。ラスベガス周辺なんて酷いものさ。ここは特別なんだ。そういうものに共感できる者しか、ここには来ないよ。」理想を理想としてエリアを丸ごとその理想で維持できることを羨ましく感じました。なによりも真剣な議論が存在することが素晴らしい。ラッペルボルティングの許容をめぐり、親友だったバーカーとカウクが殴り合いの喧嘩をするなど日本では考えられないことです。
 Physicl なものだけに注目が集まり、Mental なものやBold なものが脇に追いやられている風潮がたまらなく厭です。「石の人」が、各地のボルダーや穂高の屏風岩などで率先垂範した理想は、安易な所だけが抜き出されて、変質してしまったように感じています。
by tagai3 | 2005-12-04 12:39 | 徒然 | Comments(0)
<< 単純な反応 Keep on Smiling >>

岩登りについての所感

by tagai3