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漂石彷徨



歌碑

2月12日(日)
 「歌うたい石」に行く。以前、2回ほど見に来たことはあったのだが、登ったのは今回が始めてである。当然、我々以外は誰も居らず、聞こえるのは木々を渡る風の音とカラスの鳴き声位のものである。静かで極めて快適だ。しっかりしたブラシを持って来なかったことを悔やむ。
 かつて雑誌に載ったという「幻のカンテ」の石は、「歌うたい石」ではないことが分かった。なるほど「幻のカンテ」は上が傾斜していて快適とは言いがたいが、本物の「歌うたい石」は、上が平らで結構広い。今は木々に囲まれているが、昔(地元の老人が子供だった頃)は遠くまで見渡せたという話は、多分本当だろう。
 さて、目に付くラインを登ることにする。まずは、「幻のカンテ」の下にある大きなスラブに取り付く。正面右側のラインは見た目よりも悪い(2級?)。この面の左側のカンテは、易しいがいい課題だった(5級?)。裏のフェース(10級?)や正面右端のカンテも面白い(1級?)。正面の中央や左も登ったら楽しいだろう(未着手)。
 「歌うたい石」でお茶など飲んで寛いだ後、「歌うたい石」にもたれかかっている丸い小石を少し掃除して、2、3手のマントルを登ってみる。正面(3級?)、左(3級?)とも中々楽しい。裏に2本クラックが走っていて、左、右とも(5級?)面白い。特に左のクラックは形状も美しく秀逸である。更に「歌うたい石」で最も目立つカンテを登る。チョークらしき跡が付いていたので、或いは誰かが既に登っているかもしれない。高さがあって、少し緊張する。上の苔は落とさなかったので、抜け口が少し悪いが、2級くらいだろう。いい課題である。
 「幻のカンテ」下の並列ブロックの右端に顕著なホールドからリップに向かってリスが続くラインがある。見るからに抜け口が悪そうだが、やっぱり結構怖かった(1級?)。右脇の階段状(10級)もそれなりに楽しめる。恐ろしいがノーハンドが可能かも知れない。
 「幻のカンテ」裏の薄被りのフェイスを触る。上部にホールドが見当たらず、この日は登れなかった。ただ、不可能では無いと思う。
 KNさんが、「歌うたい石」の上の丸石に文字が彫ってあるのを見つけた。左遷された京都の貴族がここで歌を詠んだといういいつたえは、本当なのかも知れない。なんだか興奮する。
by tagai3 | 2006-02-14 01:27 | クライミング | Comments(0)
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岩登りについての所感

by tagai3