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漂石彷徨



木漏れ日

3月18日(土)
 6時に家を出る。今日は彼岸の入りで、天気も良さそうなので、道は心持ち混んでいた。
1人なので交通費を浮かせるために、高速を少し手前のインターで下りたので、登り始めたのは10時頃になった。雪はほとんど無い。昨年の丁度この日、この場所で、ひとり車中泊したのを昨日の事のように思い出す。日差しは暖かく、Tシャツでも登れる位だ。下地はぬかるんでいるが、マットがあるので苦にならない。他に誰もいないので、極めて快適である。山はこうでなければいけない。
 いつもは触れないクジラ岩に行く。嘗て登れなかったグロバッツスラブ(初段)と穴社長(二段)を触る。二つとも登れて嬉しかったが、登れてしまうとあっけないもので、グレード感覚が更にズレてきているのを感じる。
 その後、イムジン河を見に行く。木の葉が落ちているので、クジラ岩からでも見える。落ち葉の下が部分的に凍っていて、何度か転倒したが、4分くらいで基部に着く。もう充分登れそうだ。
 午前中は晴れていて気持ちよかったのだが、石楠花エリアに移動した午後は雲が低く垂れ込めてくる。静寂が極まると、石楠花周辺はまるで三途の川のようだ。河畔の石積みと同様に、石を攀じることを永遠に強いられたとしたら、自分はそれをどう感じるだろうか。はたして極楽と感じられるだろうか。やっぱり苦行のような気もする。幸福の基準や尺度について、そんなことを漠然と考えた。
 忘却の河(二段)がまたしても繋がらなかった。便数は差ほど出さなかったのだが、なんだか飽きてしまって、帰る口実としての雨を待つともなく待っていた。16時過ぎに降り出したので、信州峠をぐるっと廻って芝生広場の残雪を確認した後、帰路に付く。そういえば、ナナーズの改装工事も終わっていた。今日は蘇州のスーパースペシャルを自らに許す。
by tagai3 | 2006-03-19 00:27 | クライミング | Comments(0)
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岩登りについての所感

by tagai3